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しあわせの種 9月

実りの秋です。夏の太陽の光をいっぱい吸収した植物が、たわわに実を結んでいます。私たちも日々の生活の中でアンテナをめぐらせ、たくさんの事を吸収し結実させたいものです。今月の写真は、漢方薬に使われる大棗(たいそう)です。ナツメ、デーツの事です。春から夏にかけて伸びた新芽の枝に、この様にたわわに実るのがナツメの名の由来だそうです。補中益気湯、甘麦大棗湯、平胃散、苓桂甘棗湯、小柴胡湯、黄苓湯、半夏瀉心湯等の処方の中に含まれています。

大棗は、血行を良くするとか、痛みをとる等の直接の働きをするのではなく、内臓を支配する自律神経の働きを整え二次的に各臓器の働きが健全になることで、治癒へと導きます。色々な処方の中に大棗が含まれるのは、他の生薬の働きを発揮させやすいようにする大切な役割を担っています。
 甘いものが欲しくなったら、デーツを1日に2-3粒にすると身体が喜びますね。

 先日薬剤師の友達からSOS。息子さんが化学的に合成されたビタミンもアミノ酸も天然のものも身体の中に入れば一緒。だから朝食はプロテインの粉をシェイクして簡単に済ます。糖質制限のブームにも流されてかごはんを食べない。スポーツジムで身体を鍛えマッチョに。何か友人が言えば「科学的データはあるのか?お母さんの考えは合理的でない」と。
たとえば合成のビタミンCと天然のビタミンC同じ構造式。でも吸収率は天然型が2倍良いのです。
ビタミンCの王様のレモンとサツマイモやレンコンに含まれるビタミンC、同じ天然ビタミンCで、断然レモンの方がビタミンCを摂れそうですが、レモンのビタミンは熱や光に弱いのに対し、サツマイモ、レンコンのビタミンCは熱に強いので、揚げても煮ても効率良くビタミンCが摂れるのです。サツマイモやレンコンの中のビタミンCはでんぷんの中に含まれていて熱や、光に守られているからです。
 西洋では風邪のときレモンにはちみつを入れてホットレモンや、アップルジュースにシナモンを入れ温めて飲みます。甘くてとてもおいしいですね。温めるのでビタミンCの効果というより蜂蜜の抗菌作用や、シナモンによる末梢血管拡張による血行促進、糖分補給によるエネルギーチャージ的な働きの方が上回っているかもです。  日本の民間療法では咳が止まらない時やのどの炎症にレンコン湯が使われてきました。これはレンコンの中に含まれるタンニンによる消炎作用が主なのですが、熱に強いビタミンCも大きな働きをしていることでしょう。

 一方妊娠初期の胎児の脳が形成される時期に葉酸が不足すると脊椎分離症を起こす場合や、認知症、骨粗しょう症、動脈硬化にも大きな影響を与えていることが最近の研究で報告されています。
天然型の葉酸はポリグルタミン酸型で合成のものはモノグルタミン酸型です。天然型のポリグルタミン酸型は体内に吸収されるとモノグルタミン酸型に変わります。すると身体の中で働くのは合成型だから合成型の方が良いように思われるかもしれません。さらに天然型の方が腸内での吸収がゆっくりです。合成型の約半分。しかし最近、合成型のモノグルタミン酸の過剰摂取による健康障害も報告されてきました。これは吸収の速さによる一時的な血中濃度の上昇によるものだと思います。効率が良いのは合成型のものでしょうが、私たちの身体はそんなに単純に動いているのではなく、さまざまのシステムが幾重にも絡み合い調和を取り合いながら流れています。

 忙しい時代になり、簡単に効率を求めることが優先されています。それも大切なことですが、機械や、データに頼ることばかりではなく人間としての感を育むこともとても大切なことかと。毎朝シリアルに牛乳、あるいはプロテイン。季節感もなくむなしいですよね。

   バイオリンクの中に含まれる葉酸は天然型のポリグルタミン酸ですのでご安心ください。

下の図は海岸線です。この海岸線を測量する場合左の長い物差しと右の短い物差しとでは測定結果が異なります。小さい物差しを使えば使うほど正確に測定できますが、無限に小さな物差しが必要です。現代の科学がまさしくこれです。現在の技術で見えるもの、測定できる物のみを対象としています。仮に左の赤い物差しが現在の科学だとすれば、計り切れていない部分がたくさんあります。

元氣を測定できますか?勇氣を測定できますか?愛を測定できますか?
母親は子供の元氣の度合いを感でつかみます。恋人同士も愛の度合いを感でとらえます。

科学の裏付けもとても重要ですが、一つの指標として、
心を空っぽにして、大自然の移ろいに目を凝らし、風を感じ、風を聴き味わいましょう。
必要なものが見えてくるはずです。

Sally日記