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しあわせの種 6月

心理学者の河合隼雄先生の京大の最終講義のお話しの中で紹介された、「ぶたやまさんたらぶたやまさん」。 「ブタヤマさんたらブタヤマさん うしろをみてよ ブタヤマさん」 ちょうちょを捕まえるのに必死なブタヤマさんは何度こう呼びかけてもなかなか振り返りません。 背後には色々なものが忍び寄ってきます。

お化けに巨大ハトに巨大セミ。巨大ネズミに巨大バッタに巨大魚。
「ブタヤマさんたらブタヤマさん うしろをみてよ ブタヤマさん」がテンポよく繰り返されます。 時々後ろを振り返るのですが、何も見当たらず、再び蝶を追いかけることに夢中。 今のコロナがまさしくこれだなと感じます。
現状のコロナ対策もとっても大切なのですが背後にある気配を感じることも大切かと。

生態系のピラミッドの頂点に立つ人間。人間優先の世界を築いてきた今、生態系の根底にあるコロナに翻弄されています。
まるで「ぶたやまさん」、背後の気配には無頓着のようです。
勿論、現状の対処も大切ですが、私たちは生態系を含めて一つの大きないのちに気が付かないと、次々に怪物ウイルスや細菌が現れてきます。

ウイルスや細菌と聞くと病気を起こす悪いものと思いがちですが、いやいや、空気中の酸素、これは 30数億年前に酸素を作り出す細菌が出現したおかげ。
大気中の窒素は植物の根に住んでいる根粒菌のお陰でアンモニアと変わり、植物の栄養となり、それを食べた私たちの身体の中では蛋白質へと変わってゆきます。
この地球上に生息している微生物の数は膨大。カリフォルニア大学の微生物学者のロブ・ナイトによれば、「細菌の数は、宇宙の星の数の1万倍にのぼると推定され、そのほとんどについて、まだ全くといってよいほど分かっていない」そうです。地球の奥深く高温のマグマの近くの海底から、また上空大気圏の層にも微生物がいることが発見されています。

地球上に星の数の一万倍の微生物がいて、生態系は循環が出来、地球という生命体を生み出しています。 私たちの身体も同様です。
人の身体には100兆個以上の共生微生物が生息していると言われています。細菌を中心として、ウイルス、菌類等様々な微生物がいます。腸内細菌が特に注目されていますが、左図の様に色々な部位に生息しています。有害なもの、有益なもの、無害なもの様々です。

何と、これらの微生物が持つ遺伝子を集めると、人の遺伝子の150倍になるそうです。
人間の遺伝子の解析がなされた時、あまりにも少なくハエと80%同じだということで、世界の科学者が驚愕。 つまり、私たちの身体を動かしている全遺伝子のうち、私たち自身の遺伝子が占める割合は、たったの0.5%ほどなのです。
私たちは微生物によって生かされているといっても過言ではないですね。
最近に報告によれば、腸内細菌と肥満、糖尿病、がん、アレルギー、多発性硬化症、うつ病、自閉症、アルツハイマー等、様々な病気との関連が指摘されています。
善玉菌と悪玉菌のバランスの不均等によるものです。

地球の存在を考えてみてください。
地球にとっての微生物の一種は、人間です。
この微生物の人間は知恵を持ちましたが、この知恵が利己的知恵になると、怪物ウイルスや細菌等(悪玉) となります。
全ては繋がっています。

Sally日記