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しあわせの種 6月

春になると毎年無性に土いじりがしたくなりますが、今年はコロナの影響で高知での春を逃してしまいました。先日帰ると、紫陽花やバラの花はスタッフさんが世話をしてくれていたお陰で、一回り大きく成長し初夏の光の中で輝いて出迎えてくれました。それにしても初夏の植物の成長は目を見張るものがあります。

春、柔らかな黄緑の葉だったのに、力強い緑になりモクモク成長し生い茂っており、ここ数日早朝の草引きに熱中。ふと気がついたのですが、「草引き」って「無心」になれるのですね。淡々と黙々と何も考えず頭の中は「空っぽ」。集中して蚊に刺される事もその時はあまり気にならないくらい。ふと気が付くと2時間程があっという間に過ぎているのに、疲れるどころか爽やかな1日が始まります。
土に親しむことで心が落ち着くのは皆さま感じておられるようです。「肚」という字には土がありますね。
東洋思想の五行論では、宇宙を構成する五つ要素、「木・火・土・金・水」が互いに関係を結んだり、解いたりしつつ流動してゆき、その中心に土があり、周りを木火金水が囲むという考え方がありました。土に属する器官はお腹にある器官の脾胃です。漢方では「胃は中なり」という言葉がありどのような病気を治療する場合でも、まず胃腸の働きを整えそれから、訴えている症状の治療をしなければ治らないという考え方があります。

ところで「肚をくくる」「腹が立つ」「腹の虫が収まらない」「腹黒い」「腑に落ちる」「気が充実」「気が落ち着かない」などの感情表現の言葉があります。これらの時、身体の中にある氣の位置を意識してみましょう。「肚をくくった」「腑に落ちた」時って肩の力が抜け下腹が安定していますね。これが丹田(おへその下指3本のところ・身体の中心)に氣がこもった状態です。一方「腹を立てた」「腹の虫がおさまらない」「気が落ち着かない」時はどうでしょう。
氣は頭に昇ったり、体の上部、胸のあたりをうろうろしている感じではありませんか?
東洋医学では、呼吸によって宇宙に遍満する氣をとりいれ、その氣は経絡を流れエネルギーを身体全体に運ぶと考えています。そのエネルギーで血肉が造られ、運行しているわけです。私達は日常、外界からの刺激に反応して、心をあちらこちら動かし感情を沸かせます。感情を創り出したのは、私達自身なのですが、原因を外に求めがちです。そこで、日ごろ身体に廻っている氣を意識する練習をしてみましょう。
「下腹に意識を置いて肛門を閉め肩の力を抜いて、氣を臍下丹田に集める」

Sally日記