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しあわせの種 12月

透き通った冬空にクリスマスのイルミネーションが耀き、部屋の中には暖炉の炎が揺らめいています。 光りは私たちの深い何かと共鳴するかのように心を落ち着けてくれます。キリスト教、神道、仏教でもろうそくを用いますね。 炎には「1/fのゆらぎ」といって規則正しい間隔の中に不規則なゆらぎがあり、このゆらぎが私たちの心身をリラックスさせ心地よい感覚をいざなってくれるのです。

自然界の全てのものは、このゆらぎを持っています。そよ風、波、そしてわたしたちの心臓の鼓動も。同じリズムでこの宇宙の全てのものは、大交響曲を奏でているのですね。クリスマスの夜にはお部屋の電気を消して、ろうそくの炎を見つめてみて下さい。炎と溶け合い一体化した安らいだクリスマスも素敵ですね。
私たちの身体は原子からできていますが、この原子はさらに小さな素粒子という粒でできているという事が、最新の量子物理学で解明され、その素粒子の中に光の粒で波の性質をもつものもあります。つまり私たちは光をぎゅーと凝縮した固まり。宗教的儀式の中に光が使われるのは、私たちの本質が形ではなく光である事を暗に示しているのかも知れません。

最近の医学界のトピックスはマイクロバイオータ。
食事、運動、ストレスが健康に大きな影響を与える事で、みなさん食生活にも気を配られ、ウォーキング等の運動にも励んでいらっしゃいます。また親からの遺伝も深く関係することは周知ですが、最近もう一つ私たちの健康に多大な影響を及ぼすマイクロバイオ―タの役割が脚光を浴びています。
 マイクロバイオータとは私たちの腸に棲みつき、色々な意味で健康に欠かせない細菌群のことです。「細菌」というと「エーばい菌」そんなのが腸にいて病気にならないの?と思うかもしれませんが、ちょっとお待ち下さい。なんと私達のからだは「細菌」でびっしり覆われているのです。なんとその数は、腸だけで、私たちの身体全体の細胞数34億個より多い100兆個もいて私たちの身体を守りまた体に必要な物質を創り出しているのです。皮膚、鼻の孔、耳等の身体の穴、口の中、喉、気管等あらゆるところに棲んでいますが、最も多いところが腸です。このマイクロバイオータは大きく二つの役割を担っています。

一つは人間にとって悪さをするばい菌の侵入を防いでくれています。二つ目は私達が消化できない植物繊維等を食べてその排泄物が私の体の中では作れないビタミンであったり、脳内の活性物質であったりするのです。生存上中心的な働きをする免疫系、中枢神経系に関与しているのです。いわゆる共存共生関係で私たちにはかけがえのない存在なのです。
このマイクロバイオータの種類が指紋のように一人一人違い、その種類の違いやバランスによって、ガン、糖尿病、アレルギー、喘息、自閉症、炎症性腸疾患、肥満等との相関性があることが分かってきました。
そしてこのマイクロバイオータ、私たちが誕生してから、2歳ぐらいの間に主に決まるそうなのです。つまりこの時期のマイクロバイオータ決定が一生の健康に大きく係るわけです。お母さんのおっぱいの中で、脂肪、乳糖の次に多く含まれるのが、ヒトミルクオリゴ糖という成分。この成分、マイクロバイオータのエサとなりこれらを増やします。これは粉ミルクでは補えません。母乳は飲ましている間だけでなく、その子の一生の健康を左右するのですね。また自然の摂理って凄いですね。マイクロバイオータが大切だから、おっぱいの中にそれを増やすヒトミルクオリゴ糖がこんなにもたくさん含まれているのですから。

あゆの養殖をしている岐阜の高田水産さんが、稚魚から成魚になるのに病気が多く、抗生物質を使ってもいたちごっこで量が増えてどうしょうもなくなった時、飼料を見直しクロレラを食べたワムシ(動物プランクトン)を稚魚に与えると、病気をすることもなく成魚になり、そればかりでなく天然の鮎と同様、えらの所に穴の開いた活き活きした鮎に育つ。ある程度成長してからよりも、稚魚の時クロレラ入りのワムシを与えるのが一番効果があるという話を結びつき納得です。稚魚の時クロレラを食べる事で稚魚の腸にいるマイクロバイオータの発育がグーンと良くなったのですね

良いマイクロバイオータを育てるためには、妊娠前からの健康が大切です。というのはお母さんの健康状態が良いとお母さんのからの素晴らしいマイクロバイオータが移行するからです。 まず、産道を通る時、産道にいる菌が赤ちゃんに付着しその後おっぱいを飲むときにもまたおっぱいの周りの菌が入ります。これは素晴らしいマイクロバイオータとなります。またどういう経路からかは未だ分かっていませんが、お母さんの腸内細菌も母乳と通じて、赤ちゃんに入り、マイクロバイオータを形成して増殖してゆきます。これらの菌は私たちの身体の第二の遺伝子と呼ばれ、私たちの身体に必要なさまざまな物質を創り出します。
ところが近年このマイクロバイオータの多様性が危機に陥っています。これらの腸の細菌は数十万年かけて私たちの祖先の体の中で進化し受け継がれてきたのですが、現代の食生活(加工されたり、食品添加物や保存料)そして抗菌剤や抗生物質の乱用等によって、死滅する菌種が増え、菌の多様性が少なくなっているようです。 わたしたちにとって悪い菌を死滅させる目的で使ってきたものが、私たちを生かす働きの菌まで死滅させているようです。
そこで出来るだけ加工食品を避け、必要以上の殺菌剤の使用をやめましょう。頻繁に冬中うがい薬でうがいをしなくても、お茶やお水で十分です。口中や、喉の粘膜にはあなたの身体を守る常在菌がいます。手洗いも同様です。最近アルコール消毒がいろんなところに置かれたり、抗菌グッズがはやっていますが何事もほどほどに。 それより常在菌を元気にする事が最優先です。
特に2歳までに抗生物質や、抗菌剤を使わなければいけないような病気にかからないように日頃から気を付けましょう。
いま日本は必要以上の除菌がなされていますが、幼児期にたくさんの菌にふれ(泥んこ遊び、家畜・ペットとの触れ合いにより)多様なマイクロバイオータを増やすことが非常に大切です。

常在菌を元気にする方法

(植物繊維をたくさん取る)冬場は体を温める、ゴボウ、ニンジン、大根、レンコンなどの根菜類の割合を多く
(常在菌が喜ぶ糖質は) ごはんで摂る、小麦よりもビタミン、ミネラル繊維質の割合はお米の方が良い。               パンは添加物やトランス脂肪酸のマーガリン、砂糖が入っているので主食としないで
(最近はやりの糖質制限に注意) 砂糖、果物の制限は賛成
         米の中の難消化性のでんぷんは常在菌の好物であり元気にするので、ごはんまで長期間摂らないのは非常に危険
(日本の発酵食品をとる) みそ、お漬物、甘酒
ヨーグルト―----さまざまな菌の有効性が宣伝されていますが、私はあまりお勧めしていません。
          一つには乳脂肪の問題。
 もう一つは、単一の種類の菌を長期間入れるのは、本来もっているその人自身のマイクロバイオータのバランスに歪みがでます。それぞれ多種類の菌がそれぞれの役割を担いながら、身体の状態に答えながら増えたり減ったりしながら協力していく、メンバーシップです。悪い菌が優勢な時、有効だと言われる菌を大量に入れて良い方向に向かわせるのも良いのですが、続けるのはある特定の菌のリーダーシップとなりさらに暴走する恐れもあるのです。
何だか人間社会と似ていますね。人間も地球という大きな生命体の中で、共存共生していますものね。

特定の菌を入れるのではなく、あなたの持っている菌を健康が維持できるバランスが取れるものを摂取するべきです。

Sally日記